猟奇的な上司(微ぐろ)

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猟奇的な上司 おまけ

メガスカワスタ風味。

あのひとのひざのうえ。

「オレは」

うでのなか。

「ああ、お前はアレではない。スカイワープ。お前はお前だ」

それだけで十分だ。

個を認めていると、言われているはずなのに、嬉しくないのはなぜだろう。

「よそ見をするな」

あなたこそ、とは言わない。確かにこの人はオレを見てるのだから。

ただ、オレの中に何を見ているのかは別として。

「閣下」

聞き慣れた声、ただし自分のではない。似てはいるが違う声がする。

「お邪魔でしたか」

ああ、邪魔だね。

「いいや」

「…そうは見えませんが」

妬いてんのか?

「気にするな。スカイワープ、もういいぞ」

本物が来たからね。

でもメガトロン様、オレは偽物じゃないよ。

何の偽物でもないよ。

メガトロン様も言ったじゃないか。オレはオレだと。

分かってる、あなたにはアレ以外はみんな同じなんだろう。

あなたが自覚的に所有物だと認めるのはあいつなんだ。

でもメガトロンさま。

オレだって、あなたの物なんだよ。

こうやって、替わりを勤められるんだから。

「メガトロンさま、また来てもいいですか」

「ああ」

あいつが睨んでる。

嫌いだという割に、所有物は自分だという自覚があるのか。それとも自負か。

嫉妬とは、あいつらしい感情だと思う。

オレは、嫉妬はしない。そんな不毛な事より目の前の事が大事だから。

「じゃあ、また」

「ああ」

目の前の、あなたが望むなら、その言葉に従えるなら、それが喜び。

ああ、あなたの意識はもうあいつに向かってる。

オレが座ってたあなたの膝の上、今度はあいつを乗せるんでしょう。

あいつは不機嫌な顔で、嫌がりながら、しっくり収まるその場所が、気に入っているに違いない。

あなたが望むなら、それでいい。

「なにしてる」

「待ち伏せ」

あいつの部屋の前で帰ってくるのを待っていた。

「意外に早かったな」

「…」

「やってないの?」

「ばっ…かな事言ってんな」

「まーいーや、泊めてくれよ

「宿舎があるだろ」

「こっちのがいい」

ため息。

「ソファでねろ」

「けち」

「うるさい」

目の前を通り過ぎる瞬間、香った。

あのひとの、匂い。

首筋に目をやる。

ネクタイが緩んでる。珍しい。

ゆるくあいたシャツの衿から覗いた首筋に、ひとひら。

衝動。

「!なにする…っあ」

唇をよせる。

赤い、所有印に。重ねる。舐める。

「…っ」

「かわいいな、お前」

「いきなり、やめろ。気色悪い」

気にせず吸い上げる。

息をのんだのがわかる。

「…これだけ?」

「うるさい離れろ」

「脱がすぞ」

「だま…つ」

服の上から体をなぞる。

かわいいと思う。

ほぼ同じ遺伝子のはずのこいつに興奮するなんて、どうかしてるとは思うが、興奮してるのはこいつに対してではないから、いいと思う。

「もっと」

感じたい。あのひとを。

だってお前はあのひとの所有物だから。

触りたい、どんな物なのか。

「よせ、ばか」

「ばかは、お前だ」

愛されてる事を、信じられないお前は。

お前の求めるものじゃなくても、確かにあのひとはお前を愛してるんだから。

いいじゃないか。

 

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